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日産が東京モーターショーにコンセプトカーPIVO 2を出展、駆動源は新開発の“インホイール3Dモーター”

[issued: 2007.10.09]

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日産自動車が東京モーターショー 2007に出展するPIVO(ピボ) 2。正面右側にあるのがロボティック・エージェント
日産自動車が東京モーターショー 2007に出展するPIVO(ピボ) 2。正面右側にあるのがロボティック・エージェント
3Dモーターのカットモデル
3Dモーターのカットモデル
メタモ・システムの研究開発モデル
メタモ・システムの研究開発モデル
顔画像認識技術のデモ。まばたきの動きから推定する疲労度検出技術を発展させており、目の縦横比、目と眉の距離、目じりと口もとの距離など複数の要素から感情状態を推定する
顔画像認識技術のデモ。まばたきの動きから推定する疲労度検出技術を発展させており、目の縦横比、目と眉の距離、目じりと口もとの距離など複数の要素から感情状態を推定する

 日産自動車は5日、10月26日から幕張メッセで開催される「第40回東京モーターショー 2007」に出展するコンセプトカー「PIVO(ピボ) 2」を公開した。一昨年の前回東京モーターショーで発表した「PIVO」の後継となる、「By Wire(バイワイヤ)技術」を応用した電動シティコミュニケータで、「3Dモーター」をはじめ新技術を多数採用している。

 ピボ2は、3人乗りでキャビンを360度回転できるリチウムイオンバッテリとモーターで駆動する電気自動車という点は、ピボと同じ。しかしピボ2には新技術として、インホイールモータの高出力化を実現した薄型ディスク形状の「3Dモーター」、4つのタイヤ位置を自由に制御できる車体構造「メタモ・システム」、ドライバーの表情や会話を認識して話しかける「ロボティック・エージェント」などを採用している。

 3Dモーターは、1つのモーターから2軸の動力を生み出す独自の「スーパーモーター」開発の知見を応用した、1ステータ/2ローター構成のモーター。2枚のローターがステータを挟む構造をとっており、駆動時にはローター2つ分の動力を1軸から出力して従来比で2倍のトルクを取り出せる。ステータのコイル電磁石、ローターの永久磁石とも各磁極は小さな扇形で並んでいる。ピボ2には、各タイヤに出力15kW(総計60kW)のインホイールモーターとして組み込んでいる。同時に展示したカットモデルのサイズであれば、シーマに搭載しているV8 4.5リットルエンジンと同等の528Nmのトルクを出せるという。なお、スーパーモーターの開発は日産1社で行っていたが、今回は同じ2枚のローターがステータを挟む構造の「アキシャルギャップ形ファンモーター」を2004年12月に発表した富士通ゼネラルとの共同開発となっている。

 また3Dモーターの開発に合わせてインバータを大幅に小型化し、タイヤホイールの中に3モーターと一体ユニットとして組み込むことに成功している。「電気自動車のように大電流を扱うインバータは熱対策が重要になる。3Dモーターと同じディスク状のスペースに収めるため、デバイスそのものの開発も含めた半導体モジュールの小型・高効率化、コンデンサーの小型化を進めた」(開発担当者)という。具体的な小型化の比較数字は上がっていないが、ハイパーミニでは冷却装置のためにポリタンクほどの大きさになるインバータを、新技術ではマグカップ程度に小型化できるとしている(18リットルの灯油ポリタンクが300ミリリットルのマグカップになるとすれば、容積比では60分の1になる)。

 バッテリーには、NEC/NECトーキンと共同開発しているスピネルマンガンを電極材に採用したラミネート型リチウムイオンバッテリーを採用した。ピボ2では、10~20分の急速充電でも120kmの航続距離を確保している。

 メタモ・システムは、インホイールモーターとバイワイヤ技術により4つのタイヤ位置を自由に制御できるもので、可変ジオメトリーシャシーとも呼ばれている。360度回転するキャビンとタイヤ方向を真横に動かす機能により、バック走行する必要がなく、前を向いたままの縦列駐車も可能になる。ピボは、前後の区別なく走行が可能だったが、ピボ2では前後左右の区別なく走行できるといえる。また、タイヤ位置の制御では、ドライバーの左右確認のために車体を「前に出す」、ドライブスルーなどでの商品受け取りのために「横に寄る」などの細かい動きや、減速時に前のめりにならないように「踏ん張る」、旋回走行時に「バランスをとる」など、重心を最適な位置に調整することができる。

 ロボティック・エージェントは、顔画像と発話音声を認識してドライバーの状態を推定して話しかける対話型インターフェース。「ピボ2は、日産の考えるフレンドリーイノベーションを具現化したコンセプトカーで、クルマを単なる乗り物から楽しいドライブパートナーに変える」(中村史郎 デザイン、ブランドマネジメント担当常務執行役員)ことに主眼を置いた機能となる。「ハッピーでポジティブな気分のドライバーは事故を起こす確率が激減する」という研究結果をもとに、人と楽しくコミュニケーションするための知能を持たせた。また顔画像認識技術や発話音声の強弱から感情状態を推定する技術により、操作に必要な情報を伝えるだけでなく、状況に合わせて元気付けの言葉や語りかけ、うなずきや首振りなどのしぐさを通して、ドライバーにロボティック・エージェントや自動車への信頼感や愛着を持たせるようにしている。

 なお、ピボ2は13日~14日に日産銀座ギャラリーで一般公開される。

(朴 尚洙)

縦列駐車のためにキャビンを回転中。タイヤはまだ進行方向を向いたまま
縦列駐車のためにキャビンを回転中。タイヤはまだ進行方向を向いたまま
タイヤを駐車する方向に向けて
タイヤを駐車する方向に向けて
そのまま駐車スペースに入れれば縦列駐車が完了
そのまま駐車スペースに入れれば縦列駐車が完了


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