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Zコーポレーション、設計の枠を超えた3Dモデル利用を目指す

[issued: 2008.02.22]

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米Z CorporationのJohn M. Kawola氏
米Z CorporationのJohn M. Kawola氏

 Dsign News Japan誌は、米Z Corporation(Zコーポレーション)マーケティングおよび事業開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント・セールスJohn M. Kawola氏に3Dプリンタ業界の動向と製品開発の方向性について聞いた。

Q Zコーポレーションの3Dプリンタの強みは。
A 主な強みは、他の3Dプリンタよりもモデルの作成スピードが速く、モデル1個あたりのコストも安い。また、4色カラーに対応していることである。4色に対応しているは当社3Dプリンタだけである。製品デザインなどさまざまなニーズに応えることができる。プラスチックを溶かして造形するタイプの装置に比べ、当社の装置の造形スピードは速い。たとえば、ある部品を造形した比較では、他社の装置が6、8時間かかったのに対し、当社の装置は1時間しかかからなかった。また、この部品を作るのに前者では40、50ドルかかるのに対し、当社の装置では10ドルで済む。

Q モデルの作成スピードが速いのはなぜか。
A モデルを作成するプロセスが印刷のプロセスに似ているからである。材料のパウダーを敷き、HPのプリントヘッドでモデル形状を印刷するというプロセスを繰り返し、印刷のレイヤー(層)を積み重ねていき、モデルを造形する。一度に複数のモデルを印刷できるため、多数モデルを作成する場合のスピードも速い。パウダーのレイヤーを接着剤で接着して積層している。

3Dプリンタがオフィスにあれば、いくつかの設計案のモデルを印刷(作成)し、ミーティングで比較検討のために使うことが可能となる
3Dプリンタがオフィスにあれば、いくつかの設計案のモデルを印刷(作成)し、ミーティングで比較検討のために使うことが可能となる

Q この3Dプリンタはどのように利用されているのか。 A 我々の3Dプリンタは、日本では自動車メーカーや家電メーカーなどで設計プロセスに使われている。建築の教育にも利用されている。多くの企業はこれまで、ラピッドプロトタイピング装置を主に最終的な試作品(プロトタイプ)の作成に使用していた。つまり、設計変更を繰り返し、最終的なプロトタイプのモデルをハイエンドの装置を使って作成していた。しかし、3Dプリンタではモデルの作成スピードが速く、作成コストが安く、プリンタ自体が高価ではないということから、現在では、企業は3Dプリンタを使って設計プロセスの早い段階から試作モデルを作るようになった。試作モデルは、設計プロセス全体におけるコミュニケーションのために使えるようになった。たとえば、1つの設計チームが1つの部品を設計している場合、設計者がお互いにコミュニケーションを取るためにモデルを使える。また、管理者や工場とのコミュニケーションや、日本にある工場と中国にある工場がモデルを使ってコミュニケーションすることが可能となった。組み付けの確認などにも使われる。3Dプリンタがオフィスにあれば、いくつかの設計案のモデルを印刷(作成)し、ミーティングで比較検討のために使うことが可能となる。マーケティングやセールス部門では、部品のサンプルを生産するまえに顧客のところへ持っていき、確認してもらうなどの使い方がある。ナイキやリーボック、ニューバランスなどは、米国でフットウエアの設計を行い、中国やベトナムなどの工場で生産している。3Dプリンタが米国のオフィスと中国やベトナムなどの工場にあり、設計データから部品を印刷(作成)し、その部品を手に取り電話で話し合い、設計を検討することが可能となっている。従来は、米国で設計したデータを工場へ送り、金型を作り、部品を試作し、その試作部品を米国へ送っていたため、4~6週間かかっていた。3Dプリンタによってこの設計プロセスが大幅に改善された。


Zコーポレーションの3DプリンタであるZPrinter450で作成したモデル例1
Zコーポレーションの3DプリンタであるZPrinter450で作成したモデル例1

Q 実際に部品を生産するラピッドマニュファクチャリングには使われないのか。 A ラピッドマニュファクチャリングの利点もしくはニーズは、一般的に特注で少量生産のものにある。大量生産する自動車部品などには適用しづらい。一般的に少量生産の場合、ラピッドマニュファクチャリングを利用する方が金型を製作したり、材料を加工して試作品を作るよりも費用対効果が得られる。我々は主にプロトタイピング(試作)、コミュニケーションの方面に焦点をおいているが、当社の技術をラピッドマニュファクチャリングに利用している顧客もいる。たとえば、鋳造に利用しているところがある。顧客にはポンプメーカーが多く、当社の技術を使ってポンプの交換部品を生産するための鋳造型を作っている。我々の3Dプリンタで型を印刷(作成)し、金属を鋳造する。この鋳造型で生産した金属部品は、従来の方法で鋳造した金属部品と同等もしくはそれよりも精密である。当社の3Dプリンタは、インベストメント鋳造のための型を作ることができる。我々が提供している材料にはZCastという砂に似た材料があり、この材料を使うことで、直接鋳型を印刷(作成)することができる。

ZPrinter450で作成したモデル例2。文字などを含むモデルを作ることが可能
ZPrinter450で作成したモデル例2。文字などを含むモデルを作ることが可能

Q 鋳造以外にはどのような用途があるのか。 A 我々は人々が3Dデータを使って特注の部品やモデルを作り出すようになると考えている。現在、多くのビデオゲームのコンテンツは3Dであり、だんだんとそれらコンテンツがカスタマイズ可能になってきている。我々はビデオゲーム会社などと密に協力して、ゲームをしている人がゲームの中のキャラクタの顔や服装を自分の顔や服装に似せるなどカスタマイズし、そのキャラクタのモデルを3Dプリンタで印刷(作成)できるようにしようとしている。現在、この市場は大きくはないが、1年もしくは2年以内には大きな市場となるだろう。ビデオゲームをする人の数は、ソフトウエアを使って製品設計する人の数よりも多いからである。ビデオゲームをプレーする人がゲームの中で自分のキャラクタを作り、インターネット上でボタンを押せば、3Dプリンタで印刷(作成)したキャラクタを入手できるようになる。これは近い将来実現するだろう。


ZPrinter450で作成したモデル例3。上が製品、下がモデル
ZPrinter450で作成したモデル例3。上が製品、下がモデル

Q 今後の方向性は。 A 我々は3Dデータを持つすべての人にデータの出力装置として当社の3Dプリンタを提供していきたい。当社の3Dプリンタを設計やゲーム、Google Earthなどのすべての3Dデータを出力する装置にしていく。引き続き、スピード、コスト、カラー、精度を改善するための技術に取り組むとともに、より使いやすくしていく。今後3~5年間でオフィスにあるプリンタのように簡単に使えるものにしていきたい。顧客に聞いたところ、使いやすさ、カラー品質の向上などがニーズとなっている。使いやすくするため、材料の補充や部品の取り出しなどのプロセス、操作を自動化する。また、いくつかのソフトウエアベンダーと協力して、データの修復および利用を簡単にしようとしている。


(聞き手:大村 泰憲)

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