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東レ、ABS/PCのナノアロイ樹脂を開発、材料特性を大幅に向上

[issued: 2008.02.08]

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 東レは8日、2種類以上の樹脂を分子レベルで混合(アロイ)する「ナノアロイ」技術を発展させ、樹脂分子の3次元連続構造を安定的に形成する技術を確立したと発表した。新技術を応用することで、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)とポリカーボネート(PC)のアロイ樹脂で、これまで不可能とされていた3次元連続構造を世界で初めて安定的に作り出し、材料特性を大幅に向上することに成功した。今後は、自動車、電気・電子部品、シートなど向けに用途開発を進めて、1年以内の製品化を目指す。またABS/PCナノアロイ樹脂の試作サンプルを、2月13日から東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2008」に出展する。

 今回開発したの、シンクロトロン光を用いた放射光X線散乱構造解析により、2種類の樹脂が分子レベルで混合された領域(界面)の厚さを測定する技術と、混合する各樹脂の化学構造と特性に適合する親和性改質剤を新たに分子設計して加えることでナノメートル単位で界面の厚さを精密制御する技術。加えて、アロイ時に樹脂を混練する際に従来よりも効率的にせん断力を与える手法も開発し、ABS/PCのナノアロイ樹脂の実現につなげた。

 開発した樹脂は、ABS樹脂の成形加工性と加飾性(メッキ密着性)、PC樹脂の耐衝撃性と耐熱性を同時に備えるだけでなく、ABSの弱点えある耐薬品性やPCの課題であった耐湿熱性や肉厚成型品の耐衝撃性についても大幅に性能を向上している。汎用性の高いエンジニアリング・プラスチックとして幅広い分野への展開が期待できるという。

 ナノアロイは、分子が自発的に集合していく「自己組織化」作用をナノオーダーで制御し、分子を3次元的な連続構造を形成する技術で、東レが2005年10月に世界で初めて開発した。

従来のポリマーアロイ(左)とナノアロイの比較
従来のポリマーアロイ(左)とナノアロイの比較


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