MATERIALS

自動車業界の 材料革新

[2008年04月号]

色変換プラスチックから 複雑な部品の新しい組立プロセスまで 加速する技術開発


By Doug Smock 材料担当コントリビューティング・エディター
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Thiro Stier 氏が熱成形シートを披露している。これによって工具費が削減できる
写真:Doug Smock

 歴史的に見て自動車産業は、材料革新の推進役となってきた。これは1953年のコンポジット製コルベットから2007年の電気自動車Chevy Volt〔シェビー(Chevy)はシボレー(Chevrolet)の愛称〕コンセプト(http://rbi.ims.ca/5698-544)まで続いている。多くの自動車メーカーとTier1(一次下請け)サプライヤは経済的な不振に陥っているが、その基幹たる技術開発は依然として活発である。

 最も目を引くのは、かつては米GM社部品事業部であった米Delphi 社の事例である。Delphi 社は08年前半には破産保護から脱することを望んでいる。Delphi 社のエンジニアが開発した、成形プラスチックに蛍光染料と同社の特許である発光添加剤を使用した色変換プラスチックは、カスタム発光ダイオード(LED)の発光体の代わりとなる。この新技術によって自動車乗員への視覚効果が向上すると共に、必要となるLED の数が80%減少し、製品供給のためのコストを66%カットできるようになる。



色の制御がLED からDelphi 社の発明したプラスチックボタンに移っている
提供:SPE Automotive Div.(プラスチックエンジニア協会 自動車部門)

 「歴史的に日米の多くの自動車メーカーは、白熱電球の減色法によって容易に作ることができる色を選んでいる」と語るのはDelphi 社の色彩科学者でこの技術の共同開発者であるMichaelE. Fye氏である。白熱電球を使用したバックライトの故障率が高いことや、LED を用いた手法では費用が高くなることが、これらとは別の方法の開発に拍車をかけた。

 「我々が最初にとった方法は、青色LEDのエネルギーの一部を吸収して、そのエネルギーの一部をより長い波長で蛍光発光(再放出)するプラスチックを作り出すことだった」とFye氏は語る。「蛍光成分と、この蛍光成分を通過するもともとの青色成分を組み合わせることで、希望する不飽和色(P38のコラムを参照)を作り出す」

 200 トンクラスのカナダEngel 社の回転式プラテン2色成形機を用いた2色成形により、メインボタンは蛍光プラスチックでできており、ボタンの本体は不透明プラスチックの成形品となっている(上図)。

 ボタンの本体に光源を内蔵している。次にこのボタンを白い透光性塗料、ついで遮光性の黒い塗料で塗装する。ネオジウムYAG レーザー(波長1,064nm)でバックライトを使って図形などを表示する部分の黒い塗料を除去する。

 「日中はこれらの図形は白く見える」とFye 氏は語る。「夜間はこれらの図形はバックライトの色で光り、ある種独特な外観が得られた。ほとんどの発光図形は、離れて設置されている光源の前の減色フィルターとなっている。この蛍光で発光する図形は自己発光素子を上回るものであり、かなり鮮明で見栄えがよい」




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