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MSC.Nastranと
Windows CCS 環境で性能検証
[2008年05月号]
エステック
青山誠司シニアマネージャ
(聞き手:甲斐真一郎)
エステック(横浜市中区)は製造業の技術課題を解決する技術コンサルティングを目的に、89 年に日産自動車と当時のSDRCの合弁会社として設立されたが、06 年以降は電通国際情報サービス(ISID)のグループ企業となっている。エステックの技術コンサルティングは、テストラボでの実験とCAE 解析を一元化して受託提案するところに特徴がある。現在は製造業の開発段階での技術支援にフォーカスしている。産業分野では自動車関連が7 割以上を占め、次いで電気・電子・精密機械が多い。
解析に対する要求が複雑化
自動車メーカーでは、試作回数の削減や初期設計段階からの性能の作り込みのために、バーチャルなシミュレーション活用を推進している。その予測精度の向上のために、数百万自由度から1 千万自由度の大規模解析モデルを1 度に解くことが必要になった。この解析に各社ともかつては1 週間をかけていたが、今では1 晩のうちに解くことが要求される。あるいは1 日のうちに何回も形状変更にともなう性能変化の結果を予測することが求められる。
構造系の動特性を求める振動解析ではほとんどの場合、固有値解析を実施する。しかし数百万自由度の問題を解くのは容易でなく、またマトリクスが密でパラレルコンピューティングに向かない事情もあって、固有値解析の高速化が進まなかった。ところが04 年前後にACMS(AutomatedComponent Modal Synthesis)が、有限要素法(FEM)構造解析のデファクトスタンダードであるMSC.Nastran のなかに取り込まれると、劇的な速度向上が実現し、最近の動解析の主流になっている。
Windows CCS環境でベンチマーク
そのような変化を背景に、エステックではMSC.Nastran を振動・騒音のシミュレーションに用いるに際して、Windows CCSのプラットフォームを用いて、従来型のUnix コンピュータと比べてどういう性能を示すことができるかを検証した。ベンチマークを実施するのに200 万自由度規模の自動車の振動・騒音解析モデルを対象として、Windows CCS を載んだデスクトップ型PCワークステーション(CPU はデュアルコアx 2)とパーソナルクラスタ(デュアルコアx 10、うち計算ノードは16 コア)でパラレル化の効果を測定し、比較用にUNIX 解析サーバーIBM P570(デュアルコアx 8)を用いた。*1)
またNastran はスクラッチファイルに対するアクセスが頻繁に発生することから、スクラッチに対するI/O の高速化を図るために、スクラッチメモリ(smem)と半導体ディスクそれぞれを利用した場合の解析速度を検証した。
このベンチマークの結果から、WindowsCCS とMSC.Nastran 環境で、FEM による大規模振動・騒音解析が実用的な時間で解析可能であることを確認できた。また、パラレル処理の際にファイルI/O の競合が発生しない構成とファイルI/O 周りの高速化が重要であること、CPU 数よりもCPU1 コアに対してそれぞれ高速なファイルI/O を確保することが有効であること、半導体ディスクをスクラッチファイルI/O 用ディスクに利用できれば同一マザーボード上の複数コアからのI/O 要求にも十分耐えられる可能性が大きいこと、デュアルコア/クアッドコアのCPU を有効活用するためにはディスクI/O 方向に十分なバンド幅をもつマザーボードとI/O 性能の高い半導体ディスクが必須であること、などを確認した。
またNastran はスクラッチファイルに対するアクセスが頻繁に発生することから、スクラッチに対するI/O の高速化を図るために、スクラッチメモリ(smem)と半導体ディスクそれぞれを利用した場合の解析速度を検証した。
このベンチマークの結果から、WindowsCCS とMSC.Nastran 環境で、FEM による大規模振動・騒音解析が実用的な時間で解析可能であることを確認できた。また、パラレル処理の際にファイルI/O の競合が発生しない構成とファイルI/O 周りの高速化が重要であること、CPU 数よりもCPU1 コアに対してそれぞれ高速なファイルI/O を確保することが有効であること、半導体ディスクをスクラッチファイルI/O 用ディスクに利用できれば同一マザーボード上の複数コアからのI/O 要求にも十分耐えられる可能性が大きいこと、デュアルコア/クアッドコアのCPU を有効活用するためにはディスクI/O 方向に十分なバンド幅をもつマザーボードとI/O 性能の高い半導体ディスクが必須であること、などを確認した。
ジョブ管理の仕組みが必要に
Windows CCS の登場により、これまで敷居の高かったクラスタの管理・運用がオフィスのネットワーク管理者でもできるようになったことは大きいと感じた。
課題としては、Windows CCS は、サーバーの管理・運用性には優れるものの、複数人からジョブ投入を受け付けるには、何らかのジョブ管理の仕組みが必要であろう。PC ワークステーションでも、一定規模までの計算負荷には十分耐えられるが、マルチコアCPU時代となると、マザーボードのディスクI/O 側バンド幅がボトルネックになると思われる。他方、管理や障害対策が課題だったパーソナルクラスタでは、Windows CCS と組み合わせることにより管理レベルを向上させることが可能になった。半導体ディスクの大容量化にも期待したい。
課題としては、Windows CCS は、サーバーの管理・運用性には優れるものの、複数人からジョブ投入を受け付けるには、何らかのジョブ管理の仕組みが必要であろう。PC ワークステーションでも、一定規模までの計算負荷には十分耐えられるが、マルチコアCPU時代となると、マザーボードのディスクI/O 側バンド幅がボトルネックになると思われる。他方、管理や障害対策が課題だったパーソナルクラスタでは、Windows CCS と組み合わせることにより管理レベルを向上させることが可能になった。半導体ディスクの大容量化にも期待したい。
脚注
- *1)
(*)ベンチマークの詳細は2007 年11 月に東京で開催したDesign News Japan 主催第1回HPC セミナーで報告した。
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