MAGAZINE ARTICLES
このページをホームページに登録Cover Story
火星に生き物を探せ!
[2008年07月号]フェニックス火星探査機が今後数カ月に渡って実施するユニークな科学的調査により、答えが見えてくる
フェニックス火星探査機は、
5月25日に予定通りの着陸を果たした
50年前のハロウィンの前日、オーソン・ウェルズはラジオドラマ『火星人襲来』を放送し、本物のニュースと間違った数多くのアメリカ人をパニックに陥らせた。その火星に実際に生命が存在したのか、もしくは存在しているのかが、数カ月以内に明らかになるかもしれない。5月25日に火星に着陸した探査機が、この惑星に生命が存在する可能性について、初めて本格的な調査を開始することになっているのだ。
火星探査機「Phoenix Mars Lander(フェニックス)」(http://rbi.ims.ca/5711-538)のミッションは、NASAから委託を受けたアリゾナ大学が運営にあたっている。このミッションの主任研究員を務めるPeter Smith博士は、同大学の月惑星研究所に籍を置きながら、さまざまなNASAのプロジェクトに参加してきた経歴の持ち主だ。
このミッションの目的は、火星の周回軌道を回る探査機「オデッセイ」が火星の北極付近に氷を発見したこと(http://rbi.ims.ca/5711 -539)を受け、さらに詳しい調査を行うことである。実際、オデッセイ探査機の中性子スペクトロメーターが示す値によると、見つかっている氷の量は、ミシガン湖の水量の2倍以上にも達している。
Smith氏は言う。「氷が存在するのなら、気象条件によっては溶け出して水になっていた時期があったかもしれないと考えるのは当然だ。もし液体の水が存在すれば、生命が発生するのに必要な物質のうち、すべてではないにせよ、かなり多くが揃うことになる」
今回のフェニックスの探査計画の主要な任務は、以下の疑問点に対する答えを探すことだ。
■火星の北極には生命を維持できる環境が存在するか?
■着陸地点で、水は過去にどのような状態で存在していたのか?
■火星の気候は、極地の現象によってどのような影響を受けているのか?
フェニックスの着陸探査機は、ロボットショベルを使って火星の地面を掘削することができる。地球では、ショベルの根元にあるカメラから送られてくる映像に基づいて、どの場所を掘るべきかを科学者たちが検討する。
Smith氏は、「地表面が非常に固い場合でも、掘削は問題なくできるはずだ」と言う。「このロボットアームは、非常に強い力を出すことができる。人が両脚を踏ん張ってアームを持ち、動かないようにしようとしても、引きずられてしまうほどだ」。プロジェクトのエンジニアによると、氷は花崗岩と同程度の固さになる可能性があるが、このショベルならば掘削できるだろうと言う。「アームの先端には、ヤスリの機能を持つ回転工具が取り付けられていて、スコップの裏側で削り取った氷を内側へ導き、計測器に移すことができる。これによって、非常に固い材料でも確実にサンプルを採取することができる」(Smith氏)。「火星の非常に低温の地点に探査機を下ろすことは、エンジニアリングチームにとって大きな重圧となった。まず、電子部品を格納するために断熱性の高い容器を開発しなければならなかった。それでも対応できる低温には限度があるため、ヒーターを内蔵して、電子部品の温度をつねに一定に保つことにした」
地球にたとえるとアラスカ北部とほぼ同緯度の火星の極地は、気温が−140〜−60℃で、非常に乾燥している。材料がこうした条件に適しているかどうかを調べるには、特殊な試験が必要だ。ただし、試験では数回の作動サイクルに適していることを確認すれば十分で、何千・何万サイクルという動作確認は必要ない。
今回のミッションでは、探査機内でさまざまな科学実験が行われる。
実験装置の1つである「熱・発生気体分析装置(TEGA)」(http://rbi.ims.ca/5711-540)は、8台の小型高温加熱炉と1台の質量分析計を組み合わせたもので、回収したサンプルを熱して成分を分析する。個々の炉は、ボールペンのインクカートリッジ程度の大きさである。熱量測定の結果により、採取した火星の土が固体から液体を経て気体に変わる過程を読み取ることができる。加熱時に放出される水蒸気と二酸化炭素の量を測定することにより、氷または水の含有量を特定できる。Smith氏が言うように、もし過去に温暖で湿度の高い時期が存在したとすれば、どうだろうか?どのような鉱物が形成されていたのか、また有機揮発物質が発生していた痕跡は見られるのかなど、興味は尽きない。
TEGAは、アリゾナ大学とテキサス大学ダラス校によって製作された。TEGAで使われている特殊な材料の1つに、米Allegheny Technologies社のグループ企業であるATI Wah Chang社が開発したチタンシートがある。TEGAチームで機械設計のリーダーを務めるMike Williams氏によると、「ATI 425チタンシートは低温での成形性に優れているので、フェニックスの熱分析装置の主要な構造材料として採用した」という。
火星探査機「Phoenix Mars Lander(フェニックス)」(http://rbi.ims.ca/5711-538)のミッションは、NASAから委託を受けたアリゾナ大学が運営にあたっている。このミッションの主任研究員を務めるPeter Smith博士は、同大学の月惑星研究所に籍を置きながら、さまざまなNASAのプロジェクトに参加してきた経歴の持ち主だ。
このミッションの目的は、火星の周回軌道を回る探査機「オデッセイ」が火星の北極付近に氷を発見したこと(http://rbi.ims.ca/5711 -539)を受け、さらに詳しい調査を行うことである。実際、オデッセイ探査機の中性子スペクトロメーターが示す値によると、見つかっている氷の量は、ミシガン湖の水量の2倍以上にも達している。
Smith氏は言う。「氷が存在するのなら、気象条件によっては溶け出して水になっていた時期があったかもしれないと考えるのは当然だ。もし液体の水が存在すれば、生命が発生するのに必要な物質のうち、すべてではないにせよ、かなり多くが揃うことになる」
今回のフェニックスの探査計画の主要な任務は、以下の疑問点に対する答えを探すことだ。
■火星の北極には生命を維持できる環境が存在するか?
■着陸地点で、水は過去にどのような状態で存在していたのか?
■火星の気候は、極地の現象によってどのような影響を受けているのか?
フェニックスの着陸探査機は、ロボットショベルを使って火星の地面を掘削することができる。地球では、ショベルの根元にあるカメラから送られてくる映像に基づいて、どの場所を掘るべきかを科学者たちが検討する。
Smith氏は、「地表面が非常に固い場合でも、掘削は問題なくできるはずだ」と言う。「このロボットアームは、非常に強い力を出すことができる。人が両脚を踏ん張ってアームを持ち、動かないようにしようとしても、引きずられてしまうほどだ」。プロジェクトのエンジニアによると、氷は花崗岩と同程度の固さになる可能性があるが、このショベルならば掘削できるだろうと言う。「アームの先端には、ヤスリの機能を持つ回転工具が取り付けられていて、スコップの裏側で削り取った氷を内側へ導き、計測器に移すことができる。これによって、非常に固い材料でも確実にサンプルを採取することができる」(Smith氏)。「火星の非常に低温の地点に探査機を下ろすことは、エンジニアリングチームにとって大きな重圧となった。まず、電子部品を格納するために断熱性の高い容器を開発しなければならなかった。それでも対応できる低温には限度があるため、ヒーターを内蔵して、電子部品の温度をつねに一定に保つことにした」
地球にたとえるとアラスカ北部とほぼ同緯度の火星の極地は、気温が−140〜−60℃で、非常に乾燥している。材料がこうした条件に適しているかどうかを調べるには、特殊な試験が必要だ。ただし、試験では数回の作動サイクルに適していることを確認すれば十分で、何千・何万サイクルという動作確認は必要ない。
今回のミッションでは、探査機内でさまざまな科学実験が行われる。
実験装置の1つである「熱・発生気体分析装置(TEGA)」(http://rbi.ims.ca/5711-540)は、8台の小型高温加熱炉と1台の質量分析計を組み合わせたもので、回収したサンプルを熱して成分を分析する。個々の炉は、ボールペンのインクカートリッジ程度の大きさである。熱量測定の結果により、採取した火星の土が固体から液体を経て気体に変わる過程を読み取ることができる。加熱時に放出される水蒸気と二酸化炭素の量を測定することにより、氷または水の含有量を特定できる。Smith氏が言うように、もし過去に温暖で湿度の高い時期が存在したとすれば、どうだろうか?どのような鉱物が形成されていたのか、また有機揮発物質が発生していた痕跡は見られるのかなど、興味は尽きない。
TEGAは、アリゾナ大学とテキサス大学ダラス校によって製作された。TEGAで使われている特殊な材料の1つに、米Allegheny Technologies社のグループ企業であるATI Wah Chang社が開発したチタンシートがある。TEGAチームで機械設計のリーダーを務めるMike Williams氏によると、「ATI 425チタンシートは低温での成形性に優れているので、フェニックスの熱分析装置の主要な構造材料として採用した」という。
Sponsor Links
Partner Solutions
EVENTS
-
CAEユニバーシティ
2008年10月06日ー2008年11月28日
サイバネットシステム本社オフィス18階 (富士ソフトビル秋葉原) -
ものづくり支援セミナー 「設計者目線のPLM "PTC/CoCreate 製品開発システム”」
2008年09月10日ー2008年09月10日
ベルサール九段 イベントホール -
CISCO & Rockwell Automation Private Show2008
2008年08月29日ー2008年08月29日
シスコシステムズ合同会社 六本木オフィス 21階












